腰痛症
坐骨神経痛
脊柱管狭窄症
梨状筋症候群
脊椎分離症
脊椎すべり症
変形性股関節症
腰のトリガーポイント
腰痛症ようつうしょう健康保険対象6疾患
一般的な腰痛は筋筋膜性の腰痛で、慢性的なものと急性的なものがあります。
慢性腰痛
慢性腰痛
慢性腰痛は腰部腰方形筋、多裂筋、下後鋸筋が
緊張したり疲労や老化で固くなったりして痛むもの
で鍼灸適応です。
急性腰痛(ギックリ腰)
急性腰痛とはぎっくり腰とも言います。
腰痛のほとんどは右の3つの筋肉で起き鍼灸適応です。
坐骨神経痛症状の腰痛症
坐骨神経痛では「骨が神経を圧迫しているから」と
説明されますが、これは次の点で疑問です。
ここを参照ください。(クリック)
痛みの根拠は下記の筋肉の緊張です。
1 下後鋸筋 2 腰方形筋
3 多裂筋 4 坐骨神経
ドライバー腰
車の運転を仕事としている方は長時間の座位姿勢と下肢によるブレーキやアクセルを踏む運動によって痛みや痺れが生じます。
鍼灸治療は痛みの場所は微妙な個人差がありますので、一人一人の痛みポイントを正確に探索し治療します。
是非お試しください。
坐骨神経痛ざこつしんけいつう
1 椎間板ヘルニア
腰椎椎間板ヘルニアとは、椎間板の中心に
ある髄核というゼラチン状のものが脱出し
て椎体の後側の管に通っている神経を圧
迫してそれが原因で痛みが出るという説
です。
しかし、この説は次の点で疑問です。
1 椎間板付近の脊髄神経は硬膜、ク
モ膜という硬い丈夫な膜で覆われており
そこには知覚神経の受容器はない
2 仮に知覚神経の受容器があったとし
て、その受容器が刺激されたら、その箇
所に痛みを感じるのであって、足先の方
には痛みは走らない(知覚神経の刺激は
脳の方に向かって信号が走るのであって
足先へ走るのは全く矛盾している)
3 一般に傷がついていない脊髄や神経
根への刺激では痛みは感じない(強く圧
迫された場合は知覚低下が起こるだけで
す)
以上「神経圧迫による痛みの放散説」は
矛盾だらけで、これを説明できるのはMPS
(筋筋膜疼痛症候群)の理論です。
鍼灸はMPSに対しては実に有効な治療法です。
2 腰部脊柱管狭窄症(黄色靱帯骨化症)
脊柱管狭窄症とは、腰椎の椎体の後ろにある管が狭くなって神経を圧迫し、下肢に痛みがでるという説です。
これも、上記の椎間板ヘルニアの矛盾と同じく、脊髄を圧迫したからといって、下肢に痛みが出るわけではありません。
この、現象を説明できるのはMPS(筋筋膜疼痛症候群)の理論だけです。
鍼灸はMPSに対しては実に有効な治療法です。
是非鍼灸をお試しください。
梨状筋症候群りじょうきんしょうこうぐん
梨状筋症候群
坐骨神経は梨状筋の間に通っており、梨状筋が疲労等でし緊張し下肢に痛みが出ることを梨状筋症候群と言います。
指で臀部中央を押すと痛みが増大するので素人でも判ります。
鍼灸最適応です。
?梨状筋 ?坐骨神経
骨盤周辺の痛みに鍼灸
1 仙腸関節痛せんちょうかんせつつう
2 尾骨痛びこつつう
3 大臀筋痛だいでんきんつう
4 中臀筋痛ちゅうでんきんつう
5 小臀筋痛ちょうでんきんつう
6 梨状筋痛りじょうきんつう
7 坐骨結節痛ざこつけっせつつう
8 股関節痛こかんせつつう
骨盤矯正など骨盤周辺に対する不定愁訴が注目されておりますが全て鍼灸の適応症です。
※)尾骨痛(尾てい骨痛 びこつつう びていこつつう)は長時間座っていた場合や尾骨に外から強い力がかかった場合などに起きますが、原因がわからないものもあります。
尾骨の周辺にも痛みがありますので疼痛部位に刺鍼し、筋緊張緩和と抗炎症効果を目的とします。
※)坐骨結節の痛みはほとんどは坐骨結節にくっついている大腿二頭筋と半腱様筋、半膜様筋が坐骨結節を引っ張って痛むものです。
脊椎分離症せきついぶんりしょう
脊椎すべり症せきついすべりしょう
1 脊椎分離症
脊椎分離症とは、脊椎の関節突起部が強い力がかかるなどして(スポーツ等)骨折してしまい前方の椎体部分と離れてしまうものです。
2 脊椎すべり症
脊椎すべり症とは、脊椎分離症が治らずにそのまま時間が経過すると(例えば中年期に)、分離が起きた椎体が前方にすべり、位置がずれてしまうものです。
鍼灸の適応症です。
※分離症・すべり症に対する整形外科医の報告
分離症や分離すべり症を有する患者さんが運動を続けてもよいのか
中略
一流スポーツ選手とバレーダンサーに関しては、脊椎すべり症にスポーツは禁忌とはいえないという研究結果が出されています。
中略
無症候性の分離症または軽度のすべり症のある青少年のスポーツ選手が集中的にトレーニングを再開しても、疼痛が出現したり、すべりが著しく進行することはないという内容です。
中略
もう一つの研究は、フィンランドの国立バレエ団員を対象にしたX線学的検討です。
国立バレエダンサーの約30%に脊椎分離症が認められました。
また、分離症が認められたうちの約80%はすべり症を合併していました。
中略
これらの症例に、分離症やすべり症の有る無しに関係なく、ほぼ全員に腰痛の既往がありました。また、前年の腰痛の出現率も、分離すべりのある群とない群との間に差は認められませんでした。
「続・腰痛をめぐる常識のウソ」 福島県立医科大学教授 菊地 臣一 金原出版株式会社
変形性腰椎症へんけいようついしょう
変形性腰椎症
・腰椎の椎体や椎間板が薄くなる
・関節の棘突起が離れる(腰椎分離症)
・関節がすべる(すべり症)
・脊柱管の靱帯が石灰化で狭くなる(脊柱管狭窄症)
鍼灸は疼痛緩和と血液循環の改善を目的として
治療をします。
変形性股関節症へんけいせいこかんせつしょう
変形性股関節症
変形性股関節症は股関節軟骨の退行性変化が主で軟骨が壊れてきていろいろな痛みや歩行障害を起こします。
一次性:軟骨がすり減ってはいるが股関節の構造には問題のないもの
二次性:股関節の構造に問題のあるもの
一次性の股関節症が鍼灸適応です。
股関節周辺の筋群の緊張緩和、血液循環の改善を目的とします。
また、下肢の運動に関連して股関節筋群の痛みや凝りが見られ、これも鍼灸適応です。
腰・骨盤付近のトリガーポイント(▲)と痛み(●)
下後鋸筋
「痛みは背部の下部肋骨を横切るように現れる。患者はこのじれったいような痛みを筋に起因するものとみなしていることが多い。」(トリガーポイント・マニュアル?Up317)
「背部の、関連性ある主要な諸筋における活性TPsのための症状が消失した後にも、胸部下部に執拗に続く痛みが残ることがある。
この痛みはいらいらはさせても、非常に辛い痛みというわけではない。
身を捩ったり背部の筋を伸ばすといくぶん楽になると言う患者もいる。
前鋸筋は腰方形筋に活性TPsがある場合には、深い最大吸気や咳によって痛みが生じることがあるが、下後鋸筋ではそのようなことはない。」(同p318)
腰方形筋
「急性で、激しい腰方形筋の筋膜痛症候群にかかると、朝、尿が充満した膀胱で、誰一人助けてくれる人もなく、起床しようとするときに痛みが襲った場合、非常に緊急を要する問題となる。
患者が両手と膝を使って洗面所に行けるようになるまで、この情況は絶望的にみえる。
この姿勢は、腰方形筋を使って腰椎を安定させなくてもすぬ姿勢なのである。
腰方形筋のTrPs(トリガーポイント)からの関連痛は、それを恒久化させる要因が見逃され、あるいは軽くみられてしまうと持続化することがある。」トリガーポイント・マニュアル?Vp32)
回旋筋・多裂筋
上の図は回旋筋、多裂筋の胸椎における一部を示している。
痛みは全脊柱の全てにわたって起こる可能性があり、当然にも関連痛も全脊柱にわたって現れる。
「傍脊柱筋群の深在性グループのTPs(トリガーポイント)からの深刻な『骨』の強烈な痛みは、患者を悩ませ活動不能に陥らせる」(トリガーポイント・マニュアル?Up324)
と解説されているように、これらが通常ぎっくり腰(ギックリ腰)として表現される激烈な痛みです。
中臀筋
「中臀筋に活性TrPs(トリガーポイント)をもつ患者は、モートン足(足甲部の痛み)構造を矯正していない場合は特に歩行中において激痛を訴えるらしい。」(トリガーポイント・マニュアル?Vp153)ということは膝の痛み等、下肢に何らかの痛みをかかえる患者には比較的発生しやすいということでしょうか。
「中臀筋にTrPsをもつ患者は、患部を下にして寝るのは困難である。TrPsへの圧迫を避けるため、仰臥位あるは反対側を下にして寝る。しかしながら、仰臥位は中臀筋の甲部のTrPsを圧迫し、苦痛となることもある。(トリガーポイント・マニュアル?Vp153)
梨状筋
「梨状筋による痛みの原因は、坐骨部に放散し、そして腰痛または下背部の痛みを誘発すると言われてきた。ある著者は、この痛みの部位を尾骨の部位におけるものとしたものもある。痛みはまた鼡径の部位や大転子にも注目された。
多くの研究者は、梨状筋症状群の痛みは坐骨神経とその他の神経が梨状筋とともに大坐骨孔を通過するとき筋によって圧迫されるのが原因であるとしている。
この神経の圧迫・絞扼痛は、梨状筋における活性のTrPs(トリガーポイント)に関連する筋膜痛とは原因を異にしている。
しかしながら、この2つはしばしば合併して起こることがある。
神経性の痛みは後大腿部全体と腓腹に、そして、さらには足底までも拡大仮構することがある。(トリガーポイント・マニュアル?Vp187)
小臀筋
「小臀筋のTrPsに関連した疼痛は耐えられないほど持続し、そして非常に激しいものである。TrP(トリガーポイント)に起因する疼痛は、臀部の筋組織の非常に深い部分で、そして、疼痛の多くは該当する筋から非常に遠いために実際の原因が見過ごされやすい。
小臀筋の前方部分におけるTrPsによって臀部の下外側部分、大腿と膝の外側面、そして下腿の足首にいたる腓側に疼痛と圧痛が生じる。通常、小臀筋の関連痛は足首を超える部位に達することはない。」
「小臀筋の後方部分に存在する筋膜のTrPsによる疼痛と圧痛のパターンは、臀部の大部分《下内側面に集中する》を含み、そして大腿および腓腹の後面を覆うものである。この関連痛パターはときに膝の裏側《膝窩》を含む例がある。
この疼痛パターンの臀部への圧痛関連性は、小臀筋の広報部のTrPsを有する患者の多くにみられる大臀筋広汎性圧痛の原因と考えられる。
Goodは筋を特定することなく、坐骨神経に分布する疼痛が通常は臀部諸筋の圧痛点から発生するものであると述べた。
Kellgrenは『坐骨神経痛』とみられた70名中55名の患者の疼痛は靱帯または筋組織、通常は臀部の筋組織に起因することを確認した。(トリガーポイント・マニュアル?Vp168)
大臀筋
「大臀筋における筋膜のトリガーポイント(TrPs)は、臀部に局所的に痛みを放散し、まれには最深層の臀筋である小臀筋におけるTrPsの特有なかなり遠位への放散も考慮すべきである。」
「図1に示された部位において、仙骨に隣接して見つけられた団電気の筋膜のTrPsは臀裂付近に三日月型の痛みと過敏を放散する。」
「坐骨結節の少し上部に存在する図2は大臀筋のTrPsの位置として最もよく見られる部位である。
この領域の筋膜のTrPsは通常、臀部全体に痛みを放散し、臀部の深部にも過敏を放散する。」
「図3の位置は最も内側で下部の筋線維群に見られる。
これレの筋線維群は、このTrPsが痛みを放散する尾骨付近にある。」(トリガーポイント・マニュアル?Vp132)
腸腰筋
腸腰筋におけるトリガーポイント(TrPs)の関連痛は、腰椎に添った同側性の顕著な垂直パターンを示す。これは下方では仙腸関節の領域に広がり、そして、仙骨および近位の臀部の内側に波及することもある。
関連痛パターンには通常、ソケイ部および同側の大腿の上部前内側面も含まれる。
大腰筋または腸骨筋TrPsの腹部触診による圧迫は、主として背部に放散される痛みを引き起こす。(トリガーポイント・マニュアル?Vp90)
腰腸肋筋
腰腸肋筋の胸椎の下部にトリガーポイントがある場合にはトリガーの付近と臀部中央部に痛みが出ます。この痛みなど腰椎の2番の痛みと間違われそうです。
「腸肋筋からの痛みは、身体前面または内臓に送られるため、狭心症、胸膜炎、虫垂炎、または他の内臓疾患に間違われることがある。
脊柱起立筋のトリガーポイントからのいたみは、腎石、腫瘍、肋骨のえんしょう、靱帯損傷、椎間板の症状と誤解される。」(トリガーポイントの探し方治し方p155)
胸最長筋
胸最長筋の第12胸椎下部、第1腰椎胸椎下部にトリガーポイントがある場合には上臀部外方に痛みが広がり、第10、第11胸椎外方付近にトリガーポイントがある場合には臀部下部に痛みが広がります。